9月は、ブタクサやヨモギなどの花粉が増えやすい時期です。そして、花粉症の大きな悩みである鼻づまりや喉の違和感は、呼吸効率や集中に響きます。本記事では、鼻呼吸を守るための「練習前後の動線」や、帰宅後から睡眠までのケア導線なども、最新の公的資料を踏まえてシンプルにまとめていきます。※症状が強い/長引く場合は、医療機関へ行きましょう!目次 サラッとおさらい!花粉症とはアスリートへの影響(要点)花粉シーズンの基本戦略(3原則)練習中に花粉をつけないようにするには?夜の鼻ケアと睡眠環境競技と両立する医療・薬の活用競技別のポイントまとめサラッとおさらい!花粉症とは花粉症は、特定の花粉に対するアレルギー反応で、くしゃみ・鼻水・鼻閉・眼症状などが出ます。花粉は種類ごとに飛ぶ季節が異なり、ブタクサ・ヨモギなどは主に8〜10月に飛散します。環境省の公的資料も「花粉は昼前後・夕方に多くなる」傾向や、生活上の予防行動を示しています。ちなみに、皆さんがイメージする花粉は、2〜4月ごろのスギ花粉です。 アスリートへの影響(要点)呼吸機能の低下:鼻づまりにより口呼吸が増え、十分な酸素を取り込めなくなる集中力の低下:目のかゆみや鼻水による不快感が、試合や練習中の集中を妨げる疲労の増加:睡眠の質の低下や免疫系の過剰反応が体力の消耗を早める薬の副作用:抗ヒスタミン薬の使用による眠気や反応速度の低下 (医師・薬剤師と相談)鼻の3つの主要な機能は、「呼吸を助けること」「外部の粒子やアレルゲンを濾過・防御すること」「嗅覚を感知すること」(※1 花粉シーズンの基本戦略(3原則)付着させない(マスク・眼鏡・時間帯調整)持ち込まない(衣服・髪・皮膚・持ち物のリセット)洗い流す(手洗い・洗顔・洗髪・必要に応じて鼻腔リンス)環境省のリーフレットでは、マスク・眼鏡の活用/帰宅後の洗顔・洗髪/換気方法の工夫などを推奨しています。 2)練習中に花粉をつけないようにするには?屋外練習:前・中・後の導線練習前(3〜5分)装備:顔にフィットするマスク/スポーツサングラス。時間帯:可能ならピーク(昼前後・夕方)を避けるのも手段の1つ。鼻呼吸ドリル:鼻4秒吸う→2秒キープ→6秒吐く×3セット(鼻腔内の気流を整え、口呼吸クセのリセットに)。練習中休憩で口唇を軽く閉じる→鼻呼吸に戻す合図。汗はこすらず押さえる要領でタオルオフ(皮膚の花粉付着を広げないため)。練習後(5分)まずうがい→手洗い→流水で顔をやさしく洗う。上着は1枚入れ替え(持ち込み花粉を低減)。屋内練習:前・後の導線入室前出入口近くでウェア表面を軽くはたく→着替えてからから入室。退出前室内換気、マット・用具は湿らせた布で拭く。換気の工夫窓は開口幅を狭く+レースカーテンで流入減、給気口フィルターも選択肢に。夜の鼻ケアと睡眠環境帰宅直後シャワーで髪と顔を先に流し、衣服は早めに交換(屋外の花粉を屋内に持ち込まない)寝室 ホコリや花粉がつきやすいため、枕カバーや布団は洗濯などをして清潔を保ち、枕元は“舞い上がりにくい”材質(目が詰んだカバーや滑らかな面)などを選ぶ。体位の工夫姿勢変化で鼻腔通気は変わる可能性を報告している論文もあり(※3.4、2つの論文によると仰向けやうつ伏せ状態で顔だけを横にする「腹臥位 : ふくがい」状態と比較して、座ったままの座位状態の方が楽になる可能性を示している。そのため、横になって鼻が詰まりやすい人は一旦座ることで少し楽になる可能性もある。競技と両立する医療・薬の活用 2)内服薬、点鼻薬、点眼薬などは、飛散開始前からの使用が有効な場合があります。(眠気の少ない薬の選択などは医師・薬剤師に要相談)アレルゲン免疫療法(舌下など)は、飛散の少ない時期に開始を検討しましょう。 競技別のポイント持久・屋外系(マラソン等)時間帯調整+サングラス/マスクの使い分ける球技視界優先で点眼薬の携行・コンタクト管理する室内競技換気と床清掃をルーティン化する(持ち込み花粉を減らす)まとめ小さな導線の積み重ねが、鼻呼吸=パフォーマンスの土台を守ります。今日から、「付着させない・持ち込まない・洗い流す」をルーティン化してみましょう。もちろん、症状が強いときは、早めに医療機関へかかりましょう。参照1) S. Caleb Freeman , David A. Karp, Chadi I. Kahwaji .:Physiology, Nasal. StatPearls [Internet],20252) 環境省「花粉症対策」リーフレット(2024)3) Renato Roithmann et al .: Effects of posture change on nasal patency, Braz J Otorhinolaryngol.2005,71(4):478-84. 4) Yun-Ting Wang et al .:Nasal Patency in Sitting, Supine, and Prone Positions in Individuals with and without Allergic Rhinitis, Life (Basel).2023,13(5):1226