気温が上がる夏は、体にとって大きな負担がかかる季節。特に運動量の多い学生アスリートにとって、「熱中症」は日常的に気をつけたいリスクです。今回は、水分・栄養・体調管理・暑さへの慣れという4つの視点から、夏に負けない身体をつくるためのヒントをお伝えします。どれも今日から実践できることばかりなので、日々の習慣に少しずつ取り入れてみましょう!目次たった2%の脱水で、パフォーマンスが最大20%もダウン?汗は血液から作られている、だからこそ必要な「電解質補給」「1日3食」が最強の予防策?食事と熱中症の関係「暑さに慣れる力」=暑熱順化も重要な戦略たった2%の脱水で、パフォーマンスが最大20%もダウン?暑い中で汗をかくと、体の水分がどんどん失われていきます。その結果、血液量が減り、筋肉や脳への酸素供給が滞り、めまいや集中力低下が起こりやすくなります。実は、体重のたった2%分の水分を失うだけでも、有酸素運動能力 (長時間にわたって運動を継続できる能力 : 持久力)が落ちてしまうことがあるのです。1)▶ 対策のポイント運動前から計画的に水分をとる ※喉が渇く前に!ナトリウムを含むスポーツドリンクで電解質も補給する水分だけでなく塩分・ミネラルも意識する▶ NG例:緑茶やコーヒーなどのカフェイン飲料は利尿作用があり、脱水を助長するため、運動前は避けましょう。「水分+電解質補給」をセットで考えることが大切です。普段の練習前や通学前から、意識してこまめに水分をとるようにしていきましょう!汗は血液から作られている、だからこそ必要な「解質補給」汗を流すことで水分とともに、ナトリウム・カリウム・マグネシウムなどの電解質(ミネラル)が失われます。これらを補わないままでいると、筋肉のけいれん(熱けいれん)や脱力感、ふらつきが起こりやすくなります。▶ 水分やミネラルを補うための実践アドバイス水だけでなく、ナトリウム・カリウム入りの飲料を活用する→例:薄めたスポーツドリンク食事での補給も意識→例:味噌汁(ナトリウム)、バナナ(カリウム)、わかめ・豆腐(ミネラル)「汗=体の大事な成分も一緒に出ている」と意識して、飲み物+食事でしっかり補っていきましょう!毎日の小さなケアが、大きなパフォーマンスを支えていきます。「1日3食」が最強の予防策?食事と熱中症の関係とある調査では、大学アスリートの約半数が労作性熱中症(EHI)を経験していたことが報告されています。2) 注目すべきは、「3食バランスよく食べていた人の方が、熱中症の発症率が低かった」という点です。▶ なぜ食事が重要なのか?主食(糖質)=エネルギー源として即効性がある主菜(たんぱく質)=筋肉の修復・免疫の維持副菜(野菜・海藻)=電解質・ビタミン・抗酸化成分を補うこのように「栄養バランスのとれた食事」は、脱水や熱のダメージに強い身体づくりに直結します。「1日3食+バランス」が、熱中症予防の第一歩です。特に、朝食抜きは特に要注意!疲れにくい体をつくるためにも、まずは“食べること”をおろそかにしないでいきましょう。「暑さに慣れる力」=暑熱順化も重要な戦略急に暑くなると、体がまだ暑さに慣れていない状態で無理をしてしまい、体調を崩す原因になります。暑さに少しずつ体を慣らしていく「暑熱順化(しょねつじゅんか)」が大切です。暑熱順化が進むと、汗をかくスピードや成分が変わり、体温調整がスムーズになることが分かっています。▶ 暑熱順化のための習慣例軽い運動でも「汗をかく習慣」を日常にエアコン依存を減らし、屋外に出る時間を設ける入浴やサウナなどで「発汗モード」をつくる「ちょっと汗をかく時間をつくる」だけでも、体は変わっていきます。いきなり無理せず、自分のペースで“暑さに強い体”を目指していきましょう。まとめ〜夏のコンディションは、日々の積み重ねで決まる喉が渇く前に水分をとる電解質(塩分・ミネラル)を意識する食事は1日3食、主食・主菜・副菜をバランスよくそして、良質な睡眠と休息も熱中症予防に不可欠です。「暑さに負けない身体」は、毎日の小さな習慣の積み重ねから生まれます。栄養補給や水分補給を心がけていき、コンディションを整えて(怪我もせず、体調を整えて)、最高のパフォーマンスを発揮していきましょう!参考文献1) Tomasz Pałka et al .: Effect of Various Hydration Strategies on Work Intensity and Selected Physiological Indices in Young Male Athletes during Prolonged Physical Exercise at High Ambient Temperatures , J. Clin. Med , 2024 , 13(4) : 9822) Max Hirshkowitz et al .: Association between the experience of exertional heat illness (EHI) and living conditions of collegiate student athletes , Drug Discoveries & Therapeutics ,2024,18(1) : 60-66