──名古屋学院大学バスケットボール部監督 竹之下先生×ビオリア代表眞里谷 インタビュー2022年より栄養サポートをさせていただいている、名古屋学院大学男子・女子バスケットボール部の竹之下 秀樹監督と、弊社代表・眞里谷の特別対談をお届けします。昨年2024年の全日本大学バスケットボール選手権大会でベスト4に輝いた強豪チームを率いる竹之下監督に、チーム強化の裏側や栄養サポートの効果について、貴重なお話を伺いました。ぜひご覧ください!1. 学生アスリートにとっての「健康」とは「時間が足りない」学生アスリートの悩みビオリア代表 眞里谷(以下、眞里谷):本日は、お忙しい中お時間ありがとうございます。ビオリアは「健康と成長をリードしていく」というコンセプトのもと、様々な取り組みを行っているのですが、まずは率直に、学生アスリートにとっての「健康」とは何か、先生はどのようにお考えでしょうか?名古屋学院大学バスケットボール部 竹之下秀樹監督(以下、竹之下先生):一番は「規則正しい生活習慣」を持っているということかな。ただ、学生アスリートは授業に部活動にと時間的にかなり大変。授業後、夜遅くに練習があると、どうしても食事・入浴・睡眠が後ろ倒しになってしまうからね。練習が21時に終わって、シュート練習をして帰ると22時過ぎ。食事が23時、入浴をして寝るのは24時半とか。それでは十分な睡眠時間は確保しづらいよね。眞里谷:確かに、私も学生時代に同じ悩みを抱えていました。竹之下先生:なおかつ、昔とは違って現代のスポーツはフィジカル重視になっているので、体力強化、もしくは体格を増強させるとか、そういう目的まで栄養や食事に求めるようになっていると思う。より難しいよね。それこそ、寮生活の方の良し悪しはあるかもしれないけど、やっぱり食事やトレーニング環境の管理がしやすいのは強みだと思うよ。うちは寮体制はないし、一人暮らしをしている選手も多いから、環境の重要性を日々感じているかな。現役選手の実体験から見える課題眞里谷:永田さんは、実際に現役時代はどのように過ごしていましたか?25年卒女子バスケットボール部元主将 永田 ひなの アシスタントコーチ(以下、永田Aコーチ):私は、一人暮らしと実家を行き来していました。夜遅いときは自炊が難しく、近くの飲食店でとにかく何かを食べるようにしていましたね。怪我をしてからは、お風呂はお湯に浸かる大切さを実感したので、遅くなっても湯船に入ることも徹底していました。竹之下先生:そういう「備える意識」があること自体が、実は大切。練習だけでなく、練習のための準備や生活習慣に対する意識。個人競技と違って、チームスポーツは一人の意識の低さが全体に影響するから、この意識の差がチーム内でも課題になりがちだと思う。専門家の力を取り入れる重要性眞里谷:だからこそ、ビオリアのような取り組みが必要だと感じていただいている、ということでしょうか。竹之下先生:そうだね。選手にプロ意識を持たせたいなら、その分野のプロから教わるのが一番だと思う。昔は、全部自分でやっていたけど、今は違う。栄養やトレーニング、睡眠、すべて専門家がいるべきだと考えているよ。永田Aコーチ:私自身、怪我をした経験から栄養や休養の大切さを痛感しました。けど、現実的には食事にお金もかかるし、学生にとっては簡単なことじゃないと思います。竹之下先生:だから本気でフィジカルを強化しようと思ったら、やっぱり外部の力が必要だと思う。先ほど言ったような寮生活なんかもその一つ。最近のプロチームは、施設内にトレーニングルームや食堂、大浴場まで完備しているので、学生とプロの差はどんどん広がっている。昨年、男子がインカレでベスト4に入ったけど、実際にゲームをしてみると、フィジカルはやっぱり4番目だなと感じたよ。これ以上を目指すにはどうしたらいいのか、そこにまたジレンマがある。2. 大学生の多面的な成長とキャリア形成眞里谷:高校時代は、ある程度指導者の強制力もあって、競技で成績を残せば次の進学にもつながる、という明確な道筋がありますよね。でも大学生になると、卒業後の生活や今の大学生活、将来のことなど、頭の中がとても複雑になる年代だと思います。そういう中で、学生たちがバスケットボールにどれだけ思いを向けられるか。そのバランスは、どう考えていますか?竹之下先生:そこはやっぱり「着地地点」をどこに置かせるかが大事だと思う。4年で終わりではなくて、そこからがスタートだから。眞里谷:なるほど。確かに、卒業後のキャリアが明確な学生もいれば、なかなか見えていない学生も多いですよね。特に、アスリートのセカンドキャリアやデュアルキャリアの重要性が社会でも注目される中で、競技の先をどう描くべきかという課題は大きいと思います。選手たちはどこに気持ちを向けていくべきでしょうか?竹之下先生:私は大学生の時から、学業と競技力の“二兎を追う”べきだと思っているよ。たとえば、バスケットボールはアメリカ生まれのスポーツなので、英語を学ぶことは自然なこと。戦術や戦略を理解する上でも、外国人選手と一緒にプレーする上でも、英語は必要になる。ヘッドコーチが英語で話すなら、通訳を介さずに理解できたほうがいいからね。その語学力は、卒業後に選手を続けても続けなくても、いずれにせよ社会人になってからも大きな武器になると思う。眞里谷:たしかに、競技とは別のスキルを持つというよりも、競技そのものと結びつけることで、より強みになりますし、何より競技経験そのものが、そのまま社会で活かせる実践的な力になるということですね。竹之下先生:そうだね。実はそこを、我々指導者は教えていかなきゃいけないんだと思う。たとえば、商業系の学部で簿記や会計を学んでいる学生が、実は指導者にもなれるし、プロ選手にもなれる。ある男子学生で、プロと教員の道を悩んで先生になった子がいるけど、それもいいと思う。もちろん、プロを経験してから教員になるっていう道もあるわけで、それも立派なキャリアだよね。学生たちには、今すぐにはまだわからなくてもいい。でも、少しずつでも結びつけて考える力は持っておいてほしいね。3.男女で異なるチームづくり眞里谷:チーム作りで、大切にしていることは何ですか?男子と女子、どちらも監督されているからこそ見える違いなどもあれば教えてください。竹之下先生:自信を持たせることかな。自信を継続させるっていうことを大事にしてる。特に女子は、自信を持たせることが本当に大事。男子は逆に、よく分からない“変な自信”を持ってることがあるからね(笑)それをコントロールしなきゃいけない時もあると思う。眞里谷:男女でアプローチが全く違うわけですね。竹之下先生:そうだね。男女両方見てるけど、面白いくらい違う。でも、いずれにしても試合で勝つ、強いチームとの試合で1つでもいいプレーがあった、そういう成功体験が鍵だと思ってる。眞里谷:なるほど。実戦の中での経験が重要なんですね。竹之下先生:そうそう。ずっと内輪だけでやってると、結局“内弁慶”になっちゃうからね。やっぱり外に出て武者修行することがすごく大事。昔の人が言う「兵法を学べ」というのと同じで、戦い方を知らないと勝てないから。それが私のコーチング哲学の中でも一番大事にしてることだね。4.変化の兆しを見逃さない指導者の目眞里谷:選手の成長を感じるのは、どういう瞬間ですか?竹之下先生:練習の前後かな。体育館に入ってきた姿とか、練習が終わったあととか。準備の仕方が変わってきたり、練習の後にちゃんと振り返れたりすると、何か変化をしている時だと思う。眞里谷:練習そのものよりも、前後の姿勢を見ているんですね。竹之下先生:もともと高校の教員をやっていたというのもあるかもしれないけど、生徒の変化を見るって大事なんだよね。毎日同じ子たちが同じように来てるようで、少しの変化がある。その中に成長のヒントがあるし、逆に何か問題を抱えてることもある。怪我を隠してることもあるしね。5.一人ひとりの意識がチームを創る眞里谷:学年によって、チームの空気も変わるものですか?竹之下先生:明らかに違う。4年生がチームの準備を積極的にしてるときは、チームは強いよ。逆に「自分は4年だから」って態度になると、途端にダメになる。眞里谷:下級生に影響が出ますよね。竹之下先生:逆に1年生でも、何か一つのプレーに全力出せる子がいたら、その子の存在がチームを変えることもあるね。声を出すとか、リバウンドに飛び込むとか、誰でもできることをやり切る力が大事。それこそ、選手だけでなくスタッフも含めて全員に必ずチーム作りの役割があるから、私自身の意識も絶対に落とさない。指導者としての意識が、必ず選手に乗り移ると思ってるからね。この積み重ねがチームの成長につながると信じてる。眞里谷:本日は、心のこもった素晴らしいお話をありがとうございました。学生アスリートの健康や成長に対する深い洞察、そして指導者としての覚悟と、何より深い愛情を持って向き合っておられる姿勢に、強く共感し、私自身も多くの学びを得ました。ビオリアも、単なる栄養サポートにとどまらず、人生を支える“土台”として、皆さんと一緒に成長し続けたいと思っています。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。