6月、少し歩くだけで汗ばむような日も増えてきて、「なんとなく体が重たい」「朝がつらい」と感じる学生やアスリートも多いのではないでしょうか。実はこの時期には、体調を崩しやすい “夏前の落とし穴” が潜んでいます。本格的な暑さが訪れる前に、体調の土台を整えておくことが、夏のパフォーマンスに大きく影響していきます。そこで今回は、夏バテや熱中症を防ぐために「6月に取り入れておきたい3つの習慣」をご紹介します。目次汗をかける身体をつくる水分・ミネラル・補食で備える朝食でリズムと代謝を整えるまとめ 汗をかける身体をつくる〜暑さに慣れるための「汗活習慣」「汗をかく」とは、単なる水分排出ではなく、体温を調整するための重要な生理機能です。この機能を日頃から活性化しておくことは「暑熱順化 (しょねつじゅんか)」と呼ばれ、熱中症予防や集中力の維持にもつながります。▶ こんな習慣から始めよう:朝起きたら、ストレッチと深呼吸を3分練習後の軽いジョギングやシャワー前の足湯で、じんわり汗をかく就寝前にぬるめ入浴(39℃前後で10〜15分)汗腺は、使わないと働きが鈍くなります。暑くなる前の今の時期から「汗をかける身体」をつくることで、7月・8月の暑さへの耐性が高まり、体力消耗も軽減が可能となります!水分・ミネラル・補食のトリオで備える〜だるさ・脱水の予防に暑さが増すと、身体は想像以上に水分とミネラル(ナトリウム・カリウムなど)を失ってしまいます。「水だけ」の補給ではバランスを崩しやすく、結果的に頭痛・倦怠感・筋肉のけいれんといった不調の原因になることもあります。また、練習量が多い選手は、エネルギー不足による“低血糖”から集中力の低下が起こることもあるため注意が必要になります。これらのことを防ぐためにも、水分補給や補給は重要です。例えば、以下のようなセットを参考にしてみてください。▶ 補食×水分補給のおすすめセット:練習前:バナナ+水またはスポーツドリンク(少し薄めて)練習後:ミニおにぎり+プロテイン or 牛乳+果物朝食や昼食にプラス:味噌汁(わかめや豆腐)+海苔巻きおにぎり練習前に「バナナ+水またはスポーツドリンク」のワケバナナは糖質(ブドウ糖・果糖・ショ糖)をバランスよく含む、即効性のあるエネルギー源。加えてカリウムも豊富で、汗で失われがちなミネラルの補給に◎。スポーツドリンクは、電解質(ナトリウム・カリウム・マグネシウム)を含み、脱水やミネラルバランスの乱れを防ぎます。※濃すぎると胃に負担をかけることもあるため、状況に応じて薄めて調整しましょう。練習後に「ミニおにぎり+プロテイン or 牛乳+果物」のワケ運動後の回復には、たんぱく質+糖質の同時摂取が効果的。 → おにぎり(糖質)+プロテイン(たんぱく質)で筋肉の回復とエネルギー補給を両立。キウイやオレンジなどの果物には、抗酸化ビタミンやカリウムも豊富で、炎症や疲労の回復をサポートします。朝食や昼食にプラス「味噌汁(わかめ・豆腐)+海苔巻きおにぎり」のワケ味噌汁は、ナトリウム・カリウムなどの電解質の再補給に最適。 インスタントでもOK!具だくさんやわかめ・豆腐入りなら栄養価アップ。温かい汁物は、副交感神経を刺激してリラックス+消化促進効果も期待できます。「甘いお菓子を減らす」ではなく、「体を守る補食を選ぶ」という視点を持つことが大切です。朝の「おにぎり+味噌汁+バナナ」で整える〜1日のエンジンを起動する「朝起きるのがつらい…」そんな日は、つい朝食を抜いてしまったり、飲み物だけで済ませがちですよね。ですが、朝食には「体と心を1日のモードに切り替える」大切な役割があります。農林水産省の資料によれば、朝食を抜くと脳の活動エネルギーが不足し、集中力や記憶力が低下するおそれがあるとされています。1)また、近年の研究では、朝の食事によって体内時計(概日リズム)がリセットされることも明らかになっています。特に、トリプトファンを多く含む朝食と朝の光の組み合わせにより、夜間のメラトニン分泌が早まり、自然な眠気や快眠につながるという報告がされていました。2)さらに、朝食習慣のある子どもは、学力や体力が高い傾向にあるという文部科学省の報告もあり3)、心と体のパフォーマンスを高めるためにも朝食は私たちには必要であることがわかってきました。▶ おすすめの「朝セット」:おにぎり(梅・鮭・塩など) → エネルギー源である糖質+塩分補給に最適。起床後の脱水対策にもなる。具だくさん味噌汁(インスタントでもOK) → 発酵食品の味噌は腸内環境にもやさしく、わかめや豆腐でミネラルやたんぱく質もプラス。温かさが胃腸を刺激して消化スイッチを入れてくれます。バナナ(+余裕があればヨーグルトも◎) → 果糖+ブドウ糖がすぐにエネルギーになりやすく、カリウムで筋肉のこわばりを和らげる効果も。ヨーグルトはたんぱく質+腸内環境の安定に役立ちます。朝がつらい日は、バナナと水だけでもOK。一口でも何か食べることで、血糖値の安定・集中力の向上につながります。まとめ〜「今こそ」体のベースを整えるチャンス夏はもうすぐそこ。6月は、暑さに向けた「身体の土台づくり」のタイミングです!汗をかける習慣をつける水分・ミネラル・補食で身体を守る朝食でリズムと代謝を整えるこの3つのシンプルなアプローチが、夏のコンディション維持とパフォーマンス向上につながっていきます。「なんとなくだるい…」と感じたら、それは「今こそ整えるタイミング」かもしれません。一緒に、夏を乗り越える準備を始め、ベストコンディションの状態で過ごしていきましょう!参考文献1) 農林水産省.「朝ごはんを食べないとどうなるの?」めざましごはん.2) 福田裕美 : 「概日リズム調節における光と食事の影響に関する研究動向」.日本生理人類学会誌, 2019 , 24(1) : 21-273) 文部科学省 : できることからはじめてみよう「早寝早起き朝ごはん」(2020)