新しい環境やトレーニングに慣れてきた5月。「なんだか集中できない」「やる気が出ない」「疲れが抜けない…?」そんな春先の不調、実は“心のバランスの乱れ”が原因かもしれません。5月は寒暖差や生活の変化、気圧や環境の影響などが重なり、自律神経が揺らぎやすい季節です。アスリートにとっては、本格的な試合シーズン前の大切な時期だからこそ、身体と同じくらい“心”のケアも重要です。今回は、春に起こりやすい5月病の原因から、今日からできるメンタルセルフケアの方法までを紹介していきます。目次なぜ5月はメンタル不調が起こりやすいのか?5月病によるパフォーマンス低下のサイン誰でもできる!簡単セルフメンタルケア ー1:呼吸で自律神経を整える ー2:書くだけで整理できるジャーナリング ー3:“頑張らない日”のつくり方まとめなぜ春先はメンタル不調が起こりやすいのか?春先は寒暖差や気圧の変化が激しく、花粉・紫外線・新生活の疲れなど、目には見えない“ストレスの積み重ね”が起きやすい時期です。特にアスリートは、身体を酷使する分、無意識にメンタルの疲労が溜まりやすい傾向があります。以下のような要因が、心のコンディションを揺らすきっかけになります。新学期・新生活による緊張や不安の蓄積睡眠リズムや生活習慣の乱れ気温差による自律神経の混乱トレーニング強度の上昇と疲労の蓄積メンタルの不調は身体の不調やパフォーマンスにもつながるため、早めのケアが大切です。これはサインかも!?メンタル不調によるパフォーマンス低下春先にこんな症状があれば少し注意が必要かもしれません、集中力が続かない、プレー中の判断ミスやる気が出ない、練習が億劫に感じる寝つきが悪く、朝起きられない感情の波が大きく、気分が沈みがちこれらはいずれも、心のバランスが崩れているサインかもしれません。「気のせい」で済ませず、自分自身の状態としっかり向き合ってみましょう。誰でもできる!簡単セルフメンタルケアメンタルケアというと難しく感じるかもしれませんが、実は「呼吸」や「書くこと」など、ちょっとした習慣で整えることができます。以下の3つのどれか自分に合った方法を、日常に無理なく取り入れてみましょう。1:呼吸で自律神経を整える「吐く時間を長く」がポイント!おすすめは【1:2呼吸法】です。鼻から4秒吸って口から8秒かけてゆっくり吐き出すこれを1分間×1日2〜3セット行うだけでも、イライラや不安感が和らぎ、心が落ち着いてきます。2:書くだけで整理できるジャーナリング頭の中がぐるぐるしているときは、ノートに感情をそのまま書き出すのがおすすめです。「今の気分は?」「今日の練習どうだった?」「最近頑張ったことは?」文字にすることで、思考が整い、自分を客観的に見られるようになります。毎日3分でもOK3:“頑張らない日”のつくり方ずっと全力で走り続けると、どこかでガス欠になってしまいます。あえて「何もしない日」「ストレッチだけの日」を作る勇気も大切です。心と身体のバランスを整えるための“余白”が、次の日のパフォーマンスを引き上げてくれます。オフの日を上手に活用してみてください。4:香りで“自律神経”をゆるめる季節の変わり目は、自律神経が乱れやすく、メンタルの揺らぎにもつながりやすいタイミングです。そんなときに手軽にできるのが、「香り」を使ったケア。たとえば、京都大学の研究では「ジャスミン茶の香り」が心拍変動に影響を与え、自律神経のバランスを整える可能性があると報告されています。1)この研究はジャスミンの香りを好む人に対しての結果ではありますが、自分にとって“心地よい”と感じる香りを選ぶことが何より大切です。香りを嗅ぐだけで、自然と深呼吸しやすくなったり、気持ちがふっとゆるむ経験はありませんか?おすすめは…お風呂タイムにアロマオイルを数滴就寝前に枕元へハーブスプレー移動中や試合前に、ハンカチにひと吹きしてリセット五感のひとつ「嗅覚」を通して、自分の心をケアしてあげることで、忙しい毎日の中でもリセットの瞬間をつくることができます。まとめ:心の調整もパフォーマンスの一部!アスリートは身体だけでなく、“心の安定”もパフォーマンスに大きく関わります。5月の不調を「ただの気分」と放置せず、自分の心の声に耳を傾けることで、よりブレないコンディションが手に入ります。呼吸・書く・休むで心のセルフケア心も“鍛える”より、“整える”ことを意識する大切なのはこの2つ。この季節のメンタルケアが、夏に向けた飛躍の土台になります。今日から、自分の心にも“コンディショニング”を始めていきましょう!参考文献1) 久保田絵里香ほか(2012)『ジャスミン茶の香りが自律神経活動に及ぼす影響』京都大学学術情報リポジトリ