年中花粉症の原因となる花粉は蔓延してしますが、特に今の季節、花粉症の症状に悩まされる選手たちが多いと思います。そのため、今回はアスリートと花粉症に焦点を当て、選手パフォーマンスへの影響、具体的な対策などを紹介していきます。目次花粉症とは花粉症がアスリートに与える影響花粉症シーズンのパフォーマンス対策花粉症における競技別の注意点と対策まとめ花粉症とは花粉症は、特定の植物(スギ、ヒノキ、イネ、ヨモギ、カモガヤ、ブタクサ、シラカンバ)の花粉に対するアレルギー反応によって引き起こされる疾患の総称です。日本では、スギやヒノキの花粉が主な原因とされています。花粉は植物の種類によって飛散時期が異なり、スギの場合は1月以降、ヒノキの場合は3月以降、イネの場合は5~6月にかけて流行がみられます。花粉症がアスリートに与える影響花粉が鼻や目などの粘膜に付着すると、免疫システムが過剰に反応し、基本的な症状として鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみ、喉の違和感、集中力の低下などを引き起こします。その症状が、アスリートにとって、どうパフォーマンスの低下につながる要因となるか簡単に説明します。呼吸機能の低下:鼻づまりにより口呼吸が増え、十分な酸素を取り込めなくなる集中力の低下 :目のかゆみや鼻水による不快感が、試合や練習中の集中を妨げる疲労の増加 :睡眠の質の低下や免疫系の過剰反応が体力の消耗を早める薬の副作用 :抗ヒスタミン薬の使用による眠気や反応速度の低下花粉症シーズンのパフォーマンス対策前章の<花粉症がアスリートに与える影響>を踏まえると、アスリートにとって、花粉症対策はパフォーマンス維持・向上のために非常に重要であることがわかります。花粉症の症状を放置すると、トレーニングの質が低下し、競技中のパフォーマンスにも悪影響を及ぼす可能性があるため。適切な対策をすることで、花粉症の症状を軽減し、本来の力を発揮することができます。では、対策はどうすればいいのか?その対策の仕方を、いくつか紹介していきます。環境対策屋外トレーニングを*花粉の少ない時間帯(早朝・夜)*に変更花粉が付きにくいツルツルした素材のウェアを選ぶトレーニング後は速やかにシャワーを浴び、衣服を着替える(花粉を頭、顔、身体から流し落とす)マスクの着用を日頃からする医療・薬の活用スポーツに適した抗アレルギー薬を医師と相談して選ぶ(眠気の少ないものを使用)鼻スプレーや点眼薬を活用し、局所的な症状を和らげる舌下免疫療法などの長期的な治療を検討食事・免疫対策 1,2,3)*抗炎症作用のある食品(魚、ヨーグルト、納豆、緑黄色野菜)*を積極的に摂取 ビタミンDやn-3系脂肪酸を意識して摂り、免疫バランスを整えるアルコールや加工食品など、炎症を悪化させる食品を避ける花粉症対策は、個人の症状の度合いやライフスタイルに合わせて調整する必要があり、選手によっては、予防や対策が難しい時があると思います。その際は、医師や薬剤師などに相談し、適切な対策を見つけることも重要になります。花粉症における競技別の注意点と対策マラソン・陸上競技など:屋外での長時間の運動が多いため、マスクやゴーグルの着用を検討球技(サッカー・テニスなど):視界確保のため、目薬やコンタクトレンズの工夫が必要室内競技(バスケ・バレーなど):体育館内でも花粉が入り込むことがあるため、トレーニング前後のケア(環境対策、食事対策、医薬の活用)が重要まとめアスリートにとって、花粉症は無視できない問題ですが、適切な対策を取ることでパフォーマンスの低下を防ぐことができます。個々の体質や競技特性に合わせたケアを実施し、万全の状態でシーズンを乗り切りましょう。参照1) Philip C Calder .: Omega-3 fatty acids and inflammatory processes. Nutrients ,2010 , 2 (3) : 355-3742) Maria Kechaga et al .: Health Benefits of Probiotics: A Review, ISRN Nutr . 2013,2013:4816513) Ping Zhang .: The Role of Diet in Allergic Rhinitis and Asthma: A Review of the Evidence, Nutrients.2023,15(17):3683