皆さんは跳び箱、好きですか?跳び箱って「好き!!」と「嫌い、苦手…」にはっきりと分かれる種目のように思いますそれは、跳べるか跳べないかのどちらかしかないからではないでしょうか。他の種目であれば、「これは難しいけどこれはできる」と他にも選択肢があったりするのですが、跳び箱に関しては「跳ぶ」ことができないと、「できない」になってしまうんですよね。今回は、そんな「跳び箱」を楽しく跳べるようになるための7ステップをご紹介します!目次・はじめに・跳び箱マスターへの7ステップ・まとめはじめに一般的な跳び方「開脚跳び(足をパーに広げて跳ぶ跳び方)」は助走↓ロイター板を踏む↓跳び箱に手をつく足を開く↓着地するという動作を行います。もちろん、これらには筋力や技術が必ず必要です。ですが、跳び箱の場合、これにプラスして跳べるかどうかに大きく関係しているのが、『恐怖心』です。「思いっきりやったらできる!」はっきりと申し上げます…これは跳べる人のセリフです"あと少し"の状態だと、「えいっ!!」とやったらできた!というのも確かにありますが、恐怖心があって跳べない場合、やろうと思ってるのに、思いっきりやりたいのに、身体にガチっとブレーキがかかって動かなくなるんです…これは、本人が悪いわけでもなんでもない。本記事を読んでくださっている方の中には、こんなことを言う方はいないと思いますが、「びびりだな〜」なんて、絶対に言わないであげてくださいね。「怖い」は、誰にでもある感情。むしろ、正常な感情。どの段階で怖いと感じるかの違いだけです。では、どうして怖いと思うのか?跳び箱というのは、勢いをつけないと跳び越せないような長い箱に宙に浮いた状態で手をつき、その向こうのマットに着地しないといけないんですよね。しかも、失敗したら、跳び箱にお尻をガンっと打ったり、マットでの着地がうまくいかなかったり…怪我の予感がするからではないでしょうか。そう考えると、怖いと思って正解ですよね。では、怖いと思わず、思い切ってできる子がいるのはなぜでしょう。「怖いもの知らず」で、怪我をすることも恐れず、ぶっ飛んでいく子もたまにいますよね。これはまた別の課題で、必要な分だけの力を出すということを意識して練習したいところです。そうではなく、軽やかに跳んでいける子は、自分自身の身体が、跳び箱を跳び越す「イメージ」ができるのだと思います。どんなふうに身体が動いて、跳んでいるとき、跳んだ後、どのように身体を動かせばいいかという、「ボディイメージ」がしっかりできるからです。普段身体をよく動かしていて、跳び箱に近いような体験をしている子は、イメージしやすいかもしれないですね。逆に、イメージができない場合、自分の身体を未知の世界に放り込もうとしているわけですから、怖くて当然なのです。ですので、イメージができて、怖くない動きを重ねていくところから、はじめてくださいね。跳び箱マスターへの7ステップでは、具体的なポイントをおさえながら、段階的に跳び箱にチャレンジしてみよう!チャレンジするご本人はもちろんですが、サポートする親御さんや周りの方もぜひチェックしてみましょう!STEP1 “地面”からスタート地面に両手をつき、足はパーに広げます。両手→両足→両手→両足…の順に前に進んでみましょう。慣れてくると、進む時に両足が手の位置を追い越せるようになります。顔、肩が手よりも前にくる姿勢が取れるとgood♪腕や体幹のトレーニングにもなります。顔は前を向くようにしましょう。STEP2 “低く小さい台”で地面と同じ姿勢を小さな台などを使ってやってみます。少し体重をかけても、倒れたり崩れたりしないものを使ってくださいね。台の一番遠くに手をかけ、パーにした両足で追い越します。台にはお尻はつけません。地面と同じく、顔と肩が手よりも前にくる姿勢を取ることを意識しましょう。ここで、手に体重がかかる感覚を身につけます。STEP3 “低めの跳び箱”で膝くらいの高さの台や跳び箱でやってみましょう。跳び箱の場合、横向きに設置して長さが出ないようにするのがおすすめ。STEP2の要領で、さらに少しだけ勢いをつけて行うイメージです。ここで、『跳び越す』ことを体験します。着地は両足で、手やお尻をつかないことを目標に進めてくださいね。ポイントは、このステップで何度も回数を重ねて練習すること。恐怖心なく、心に余裕を持ってチャレンジできる状態にしましょう。着地に柔らかいマットを使うことで、思い切って跳びやすくなります。STEP4 “ロイター板(踏み切り板)”を設置STEP3で使用した跳び箱の高さを1〜2段上げ、前にロイター板を設置します。ロイター板がある分、高さを上げてもSTEP3とそれほど変わらないはずです。この状態で同じように跳んでみましょう!ロイター板がある事に慣れたら、少しだけ助走を取ります。止まって跳べる高さですので、助走もゆっくりでOK。ロイター板で止まっても良いです。ここでは、「助走をとっても、同じ形で跳ぶ」ことを理解することがポイント。この時、ロイター板では必ず足をグーにそろえ、そこから、パッ!!と勢いよく足を広げて跳びます。STEP5 ロイター板で “弾み” をつけて助走→ロイター板→跳び箱の流れが身体で分かったら、ロイター板で揃えるグーの足に少し力を入れてみましょう。「ドンっ!!」と音がなるように踏むことができると、両足踏み切りが上手にできます。そうすると、踏み切りによって身体が浮くので、軽く前に跳び越すことができるようになります。STEP6 “助走と踏み切り” に勢いを助走〜着地までの一連の流れの中で跳べるようになったら、助走にもう少し勢いをつけてみましょう。STEP5 でロイター板の上を歩いていたのであれば、できればロイター板に乗るのはグーの足で踏み切る時だけにします。ここまでできれば、踏み切りでかなり身体が浮くので、跳び箱の高さも上げてくださいね!これだけできればもう十分に跳べている状態。嬉しい!楽しい!という子どもたちの顔を見ることができます♪STEP7 最後はフォームを修正してレベルアップへ"できる"ってやっぱり嬉しいですよね。あとは、目指す跳び方に向けて、フォーム等を強化、修正していきましょう。もっと高さを跳びたければ、助走にも勢いをつけ、ロイター板をさらに強く弾むように踏みます。縦向きの跳び箱を跳びたいのであれば、前傾姿勢をさらにとり、跳び箱の前方に両手をつくこと、その両手で強く跳び箱を押すことなどを強化していきましょう。手を着く位置が手前すぎると、腕にお尻がひっかかり、手首を痛めてしまうなど、怪我につながりますので、STEP1〜3の基本の形は必ず押さえてくださいね。そして、無理に段数を上げるよりも、良い形で跳べていることの方が大切です。軽々と跳べるなど、余裕が出てきたらレベルアップしてみましょう。まとめ跳び箱を進める上での最大のポイントは、『これならできる!』と子どもたちが思えること。いきなり高い跳び箱、それも長さのある跳び箱にロイター板をつけて、「さぁ、跳んでみよう!!」って言うと、「え〜、跳べるかなぁ、怖い、無理〜」なんて言葉が子どもたちから聞こえてきそうですよね。ボディイメージが掴めない子がいたとしたら、何をどうしていいか分からず、頭の中がパニックになっているでしょう。過度な恐怖心を持つことなく、跳び箱が跳べるようになる為に、近くで見守る、指導する大人が配慮できることがあると思います。跳び箱を思いっきり跳ぶ楽しさや、跳び超えた時の達成感を子どもたちが味わってくれたら嬉しいです♪