9月に入りましたが、まだまだ暑い日が続きます。今年は10月まで夏日が続く...とも言われていますね。「食事が喉を通らない」「なんだか疲れる」といったいわゆる「夏バテ」の症状は起きていませんか?パフォーマンスや身体づくり、体調管理のために、この夏バテ問題を軽視するわけにはいきません。夏バテをしないために、どのような自己管理をするべきか改めて紹介していきたいと思います。目次・夏バテとは?その原因とは?・夏バテにならないためには?普段から気をつけるべきこと・まとめ夏バテとは?その原因とは?暑い季節が続くと食事が喉を通らなかったり、いつもより疲労感が増したりといったことを経験したことがあると思います。暑い時期のこの様な症状は、「夏バテ」を疑いましょう。アスリートのみなさんは、夏バテにならないために食事管理や体調管理を徹底することは、パフォーマンスの維持や向上、身体づくりにつながります。偏りのない栄養満点な食事、十分な休息および睡眠を意識し、最高のパフォーマンスを発揮できるようにしていきましょう。さて、「夏バテ」とは、高温や多湿が特徴を持つ夏の気候に負けることで体力が消耗し、「なんとなく体調が悪い」「食欲がない」「疲れやすい」などの体調不良の総称のことを言います。もう少し症状を詳しく説明すると夏バテの症状には、、慢性疲労、胃腸症状、睡眠障害、ストレス症状、モチベーションの低下等の自律神経失調様症状があります。(1夏バテは、以下のような内容を原因として考えられています。・急速な水分補給や極端な内部冷却による自律神経失調(腸内の乱れ)・水分やミネラル不足による脱水症状・熱中症・寝不足による体調不良・室内外の温暖さによる影響で起こる自律神経失調ざっくりとですか、原因はお分かりいただけましたでしょうか?その上で、対処法をしっかりと理解し、夏バテにならないようにすることは、アスリートとして、パフォーマンスを落とさないためには重要なことになります。 ぜひ実践しましょう!夏バテにならないためには?普段から気をつけるべきこと夏バテを予防するために気をつけるポイントと、下記4つです。食事まずは、主食 (糖質)、主菜(たんぱく質)、副菜 (ビタミン・ミネラル)が揃ったバランスの良い食事に加え、十分な食物繊維の摂取を心がけましょう!食物繊維は、免疫力につながる腸内環境の多様化に関連 1)しています。そして、極端な高脂肪食やたんぱく質だけといった食事方法は避けましょう。 (一般的に食物繊維の目標量は、 男性18~64歳は1日に21g以上、女性18~64歳は1日に18g以上とされている) 2)脂質たっぷりの食事、脂質が多いお菓子ばっかりといった高脂肪の食事や肉だけ、プロテインをとにかく多く飲むといった食事方法は、腸内の環境に悪影響 を与え、お腹の不調、自律神経の乱れや身体の不調にかかわる可能性があるので十分気をつけましょう。水分補給水分補給をする際、水分の温度は 5-15℃の温度が望ましい3)と言われています。ただ、熱中症対策で、身体の中から冷やすためには冷水(10℃以下の水)は効果的なのですが、身体の負担を考えると、キンキンに冷えている飲み物をごくごく飲みたい場合は、一気に飲むのではなく少しずつ飲むようにしてなるべく腸内への負担がかからないようにして工夫してみましょう。冷蔵庫から出したばかりのような冷えすぎている飲み物は、胃腸が冷えることで腸内に負担がかかり自律神経が乱れる要因にもなりえるためです。また、喉が渇いていなくてもこまめな水分補給を心がけましょう。バスケットやサッカーなどの競技では、競技中1時間以内に500ml〜1000mlの水分補給が推奨されています3)。また、水分補給が、水の場合は0.1%-0.2%の食塩と3-6%の糖分を含むことが推奨されています。糖分の他にミネラルやアミノ酸、ビタミンが含まれている市販のスポーツドリンクなどを選択するのも良いかもしれません。「水」だけの水分補給だと、汗で失われたミネラルを補うことができないため、汗で失われた水分だけではなく、ナトリウム(ミネラル)の補給や疲労回復の目的のためアミノ酸補給、口当たりの好み、エネルギーの補給といった自分の目的や嗜好にあった飲み物を見つけましょう。入浴自律神経を整えるためや血行の促進、身体を休ませるためにも、38℃〜40℃くらいのぬるめのお湯に肩まで浸かりましょう 。(10〜15分程度)良質な睡眠十分な疲労回復を図るため、8-9時間の睡眠を心がけましょう。睡眠不足は自律神経の乱れや判断力の低下といった身体の不調に繋がります。また、最近では睡眠時間をしっかりと取ることが、パフォーマンスの向上につながるとも考えられています。この季節は、暑苦しさでなかなか寝付けず睡眠不足になってしまう、暑苦しいことにより睡眠の質が低下してしまうといった身体にストレスをかけないよう、エアコンつけて寝ることも 忘れずに。(26-28℃ 設定)ただ、エアコンの風は直接身体に当てないように!温度差をなくす急な温暖差は自律神経の乱れに影響してしまうので、室内と室外の寒暖差を7℃以下に抑えることを意識しましょう。長袖やジャージなどを重ね着で、室内では温度調節をするのも良いでしょう。まとめまだまだ暑い時期が続きますが、夏バテの影響で身体が思うように動かない、食事が十分に取れないことは、身体づくりやパフォーマンスを向上させるためにはもったいないことです。栄養満点な食事、十分な休息および睡眠を意識して、最高のパフォーマンスを発揮できるようにしていきましょう。トップで戦うためには、技術を高めることももちろん大事ですが、技術が一緒だった場合、スタミナ、力、スピード、最後の一絞りの力や判断力といったギリギリの勝負の瞬間には、その力や土台(自分自身)を支えるのは毎日の積み重ねです。負けた時の言い訳を作るのではなく、勝つためには何が必要かということを考え行動しましょう!参考文献1) 髙田邦夫.: バランスの取れた熱中症及び夏バテの予防法の提案.医実報告 . 2023,63(4)/64 (1) : 1〜152) 厚生労働省 : 日本食事摂取基準 , 20203) JASPO 日本スポーツ協会 : アスリートの栄養摂取と食生活