最最近、補食が足りていない可能性を示唆する論文が発表されたため、改めて補食についてお話ししたいと思います。目次・補食とは・なぜ補食が重要なの?・実は、普段の補食では栄養素や量が足りていないかも?!・まとめ補食とは補食とは、お菓子を食べることではなく、日々の食事で足りないエネルギーやビタミンなどの栄養素を朝昼夜以外に補給することです。一般的には、日々の食事の中で、栄養やエネルギーを摂取することで健康を維持していますが、アスリートは、普段の食事に加えて補食が重要となります。なぜ補食が重要なの?アスリートは、パフォーマンス向上や健康維持のために、エネルギー摂取が必要不可欠です。そして、一般の方と比較すると、運動量が大きく1日に消費するエネルギーが大きいため、通常の食事(朝・昼・夕)に加えて、補食を摂る必要があります。過去の記事では、補食の目的は、3食では足りない栄養素を補給すること増量のためのエネルギー摂取運動前後のエネルギーの確保筋肉をつけるために必要なんたんぱく質の補助とお話しをしましたが、アスリートにとってエネルギーが枯渇することは、身体を動かしたり、筋肉を作るための栄養素、エネルギーが足りなくなるということに繋がります。栄養素やエネルギーが不足した状態が続くと、パフォーマンスの低下や体重減少、怪我などに繋がります。そのため、3食をしっかり確保した上で、必要な栄養素やエネルギーを補食で補う必要があるということです。ちなみに、エネルギーを確保したい時に適した食品は、エネルギー源となる糖質を多く含むおにぎりがよく挙げられます。 運動前などは、消化の良いバナナやゼリー形状の商品などもいいですね。実は、普段の補食では栄養素や量が足りていないかも?!2024年2月に発表されたトップレベルで活躍している女子学生アスリート70人のを対象とした研究において、「日本人の食事摂取基準(Dietary Reference Intakes;DRIs)2020年版」の推奨値を満たしている割合を調べたところ、補食習慣の有無にかかわらず、エネルギーの摂取量や栄養素が不十分であることが報告された。1)この論文1つだけでは絶対とは言い切れませんし、筆者もエビデンスの質や研究方法の質については指摘しております。しかしながら、この報告も1つの結果であることや、この報告を受け、今の自分の食事量や体組成の推移を見つめ直し、「自分はエネルギーや栄養素が足りていないかも!?」と考えることはできると思います。そう感じたら、次は行動です。まずは3食きっちり食べているか、栄養バランスが整っているか、わからないことがあったら調べたり、身近に栄養士 (栄養士、スポーツ栄養士、管理栄養士)の方が近くにいる環境であれば聞いてみたりと、自分のために行動をして欲しいです。自分は食べていると思っていても、エネルギー摂取量を計算するとエネルギーを確保できていないことも多くあります。栄養バランスと言えば、先ほどの研究で、炭水化物、脂質、たんぱく質の推奨量をしっかりと満たしている人は少なく、「主要栄養素の摂取バランスを推奨される比率に近づける必要がある」とも述べられています。ジャンキー(脂分が多い食事、外食)な食事を頻繁に、食べていませんか? 大半のアスリートは食生活に気をつけていると思いますが、この機会に改めて自分の食生活を見つめ直すのもいいかもしれません。まとめ最近調子が上がってこない、パフォーマンスが落ちた、体重、筋肉量が落ちてきてしまうなどの悩みがある場合も、1度自分の食習慣(朝昼晩)や栄養バランス、食事の量を再確認してみてはいかがでしょうか。朝食を取れていなことが判明したら・・・少し朝食を摂ってみるところから始めたり野菜や果物が少なかったら少しずつ増やし始めたり今まで補食を摂っていないことが判明したら・・・練習中のエネルギー確保のために練習1時間前に補食を取り入れたり練習後のリカバリーのために練習後におにぎりやゼリータイプの補助食品を入れてみたりなどの工夫できる点が出てくるかもしれません。その1つ1つの行動で、パフォーマンスや身体が変わります。もちろん睡眠、休息も疎かにしては食事の効果が最大限に発揮できません。そのことには注意しておきましょう。 参考文献1) Hiromi Inaba et al.: Snack and Nutrient Intake Status of Top-Level Female University Athletes:A Cross-Sectional Study. Healthcare (Basel)., 2024 ,12(4) : 468