最近は気温も暖かくなり、日差しも強くなってきましたね。日差しが強くなってくると、いつも以上に日焼けが気になってくるとは思いますが、皆さんは日焼けの知識をしっかり身につけ、行動に移せていますか?これから本格的に暑い毎日が続きます!今年の夏も全国的に猛暑だと言われています。意外と知らない日焼けについて、しっかり理解して行動に移せるように、今回は「日焼け」に関してお話ししていきたいと思います。目次・日焼けとは・日焼けは疲れる?・紫外線(日光)は敵なのか?・まとめ日焼けとはまず、みなさんは「日焼け」と聞くと日光(紫外線)を浴び続けることで皮膚が赤くなったり、黒くなったりすることを思い浮かべると思います。そもそも、皮膚自体には暑さや寒さ、太陽光紫外線、摩擦といった外部にある刺激から身体を守る働きや体温調節機能、触覚、痛覚機能といった役割を持っています。一般的に「日焼け」と言われる現象は、紫外線の暴露によって起きる皮膚反応であると言われており1)、体内の細胞を紫外線から守ろうとして、皮膚がメラニン色素を作ることで起こります。2)日焼け以外にも紫外線を浴びつづけることは、シミやシワの原因に繋がることや目への病気に繋がることも知られています。紫外線を対策することは、健康や美容の観点において欠かせないものになっていますね。一方で、皆さんは暑い日差しの中運動すると、いつも以上に身体が疲れた経験はないでしょうか?? 実は、紫外線を浴び続けることと疲労感は関係している可能性があるということが着目されています。日焼けは疲れる?屋外スポーツをしていて日光を一日中浴びた日は、いつもより体が重かったり、疲れていたりしませんか?それは、体内の水分不足による疲れだけではなく、紫外線による身体の疲労感が原因かもしれません。最近のヒト研究において、日焼けにより運動時の疲労が高まることや、屋外での運動時に日焼け止めを使用することで疲労感が軽減される可能性が示唆されました。3)日焼け止めは、美容目的だけではなくアスリートと疲労感の関係においても重要なアイテムになる可能性が出てきました。また、疲れは皮膚による日焼けのストレスで感じるだけではなく、目から紫外線を浴びることによっても身体の疲労につながることがわかっています。そのため、日焼け止めを使うだけではなく、屋外のスポーツをメインで行ない日頃から疲労感に悩まされている人は、サングラスの使用や帽子といった目への紫外線対策も一緒に取り入れてもいいかもしれませんね。紫外線(日光)は敵なのか?いろいろとお話ししてきましたが、紫外線を浴びることを必要以上に怖がることはありません。なぜなら、私たちが健康を維持する上で日光を浴びることは必要不可欠だからです。例えば、日光(紫外線)を浴びることで、体内でビタミンDの生成が助けられることがわかっています。ビタミンDの主な働きは、カルシウム代謝の調整です。日光のもとで、普段の生活をしている場合は、ビタミンDが不足することは少ないと考えられています。しかし、ビタミンDが不足してしまうと、カルシウムの代謝がうまく行われず、成人で骨軟化症や骨粗鬆症、小児ではくる病といった骨の成長障害を引き起こすことがあります。4) 骨が脆くなることは、骨折や怪我などパフォーマンスの低下に繋がってきます。常日頃から日光を遮断している場合や怪我により日中の活動量が低下する場合においては、日光を浴びるように意識するか、食事からビタミンDを摂取するようにしていきましょう。ちなみにビタミンDは、きのこ類、魚介類などに多く含まれています。まとめ夏だけではなく、5月ごろから紫外線は強いと言われています。強い紫外線はそれだけでストレスだったり疲労感に繋がったりと、パフォーマンスの低下につながります。そのため皮膚の日焼け予防や、サングラスや帽子などで目を保護することは、疲労感の予防やパフォーマンスの低下を防ぐことに繋がっていきます。また、日光を浴びること自体には、うつ病の予防だったりビタミンDの生成の助けだったりメリットになることもあるので、日焼けを防止することを気にしすぎることは避け、自分の疲労感や練習中や試合に向けてのコンディションを整える一つの手段として考えることを推奨します。 参考文献1) 岡田ら : 粧 技 誌 . 第19巻 . 第2号 . 19852) 工藤孝文 : 人体の超基本, (書籍) . 20223) 株式会社コーセー : 日焼けにより、運動時の疲労が高まることを確認 運動疲労に対する日やけ止めの価値拡張の可能性. プレスリリース . 20244) 公益財団法人 長寿科学振興財団 : ビタミンDの働きと1日の摂取量 .健康長寿ネット . 2023