これまでもブログを通して何度もお伝えしてきましたが、トレーニングの効果を最大限発揮するためには、「食事」も大切な要素になります。特に、身体づくり(筋肉)のもととなるたんぱく質を食事から摂取することが重要です。では、たんぱく質が多く含まれる食べ物ってなにがあるでしょうか?きっと、多くのみなさんが思い浮かべる食材は「肉類」が多いと思います。「鶏肉を食べた方がいい」「鶏肉って筋肉にいいんしょ?」こんな言葉を、アスリートだけでなく、最近だと筋肉芸人やモデルの方々など、身体づくりをするさまざまな人から耳にしませんか?今回は、身体づくりには、なぜ牛肉や豚肉ではなく鶏肉が好まれるのか?おすすめなのかについて一緒に学んでいきましょう!目次・トレーニングをしている人には、鶏肉がおすすめな理由・牛肉、豚肉、魚類についても簡単に紹介・良い脂質と悪い脂質って?トレーニングをしている人には、鶏肉がおすすめな理由アスリートやフィットネス界隈の中では、鶏肉が非常に人気のあるたんぱく質源として知られています。その理由として以下の3つが挙げられます。1. 低脂肪で高たんぱく質鶏肉(皮無し)は、牛肉や豚肉に比べて含まれている脂肪分が低く、高たんぱく質な食材です。脂肪分が少ないということが、余分な脂肪分を摂りたくないアスリートやトレーニングをしている人にとって、選びやすく人気のある要因の1つになっています。鶏肉の中でも、胸肉は特に脂肪分が少なく、たんぱく質が豊富に含まれています。2. 消化しやすい & たくさんの栄養素も豊富に含まれている鶏肉は他の肉類よりも消化しやすく、胃腸にも優しく、たんぱく質やコラーゲン、ナイアシン、ビタミンAなどの栄養素を豊富に含みます。消化しやすいということは、栄養素が吸収されやすいため、トレーニング後の疲労の回復や筋肉の成長にも繋がります。また、鶏肉にはイミダゾールペプチドという疲労回復や抗酸化作用が期待できる栄養素も含まれていることが知られています。3. 価格の面で魅力的一般的に、鶏肉は牛肉や豚肉よりも価格が比較的低い傾向があり、コスト効率の良いたんぱく質の供給源ということが魅力の1つとしてあげられます。牛肉、豚肉、魚類についても簡単に紹介牛肉は、たんぱく質とともに、日常的に不足しがちな鉄分や亜鉛を摂れることが、利点として挙げられます。豚肉は、たんぱく質とともに、糖質の代謝に必要なビタミンB1を多く含み、疲労の回復や糖質をエネルギー源に変える手助けをします。魚類は、たんぱく質とともに、n-3系脂肪酸という多価不飽和脂肪酸を多く含みます。n–3系の不飽和脂肪酸には、DHAやEPA、α-リノレン酸といった種類があり、これらは、抗炎症作用や中性脂肪を減らす作用、血液をサラサラにする助けをする働きがあることで知られています。また、最近ではヒト試験ではありませんが、EPAがたんぱくの質分解を抑制する可能性(筋肉の維持につながる)があることも示唆されています。1)鶏肉(皮無し)は脂肪分が少なく、高たんぱく質で人気があるとお話ししてきましたが、その他のお肉やお魚を食べてはいけないということではありません。それぞれ含まれている栄養素に特徴があるということです。これらを理解した上で、食材を選ぶことも食事の楽しみのひとつですね! 良い脂肪分と悪い脂肪分って?お肉やお魚は、たんぱく質を多く含む食材ですが、脂肪分(脂質)も多く含みます。例えば、肉類には飽和脂肪酸と呼ばれる脂肪酸(※)を多く含むことが知られています。※脂肪(脂質)の材料摂り過ぎると・・・皮下脂肪や内臓脂肪の蓄積につながり、肥満を引き起こしてしまう胃腸が脂質を処理しきれず負担をかけてしまい、消化不良を引き起こしてしまう動脈硬化の原因に繋がる上記のような可能性が考えられています。また、お魚や植物性食品(植物油、ナッツ、種子など)に多く含まれている、n-3系の多価不飽和脂肪酸 (DHA・EPA・α-リノレン酸)には、先ほどもお話ししましたが抗炎症作用といった作用が期待されます。だからと言って、お魚をいっぱい食べたら良いというわけでも、お肉などの脂肪分を必要以上に除去しようとしなくても問題ありません。私たちの身体は脂肪分 (脂質)が不足しても、エネルギーが足りなくなったり、血管が脆く弱くなったり、お肌がカサカサになったりと身体に悪影響を及ぼします。脂肪分(脂質)も成長や身体には必要な栄養素なのです。食品や栄養素には不必要なものはありません。何ごとも食べ過ぎや食べなさすぎには、注意しようということ。満遍なく様々な食材を食べていくのが理想ですね。まとめお肉やお魚に含まれる脂肪分は、バランスよく摂取することを心がけたら良いのですが、アスリートにとって、お菓子から摂れる脂肪分や揚げ物から摂れる脂肪分、脂分が多い外食などを、毎日のように摂ることは避けましょう。栄養価が低かったり、脂肪分が必要以上に多かったり、ただ脂肪 (脂質)だけを摂取していることになりかねません。 たまにのご褒美くらいするのが理想です!アスリートの皆さんは、体重の管理、体脂肪の管理や身体の動きの感覚や怪我など、気をつけなけらばいけないことが多いため、バランスよく食材を選んで、たんぱく質やその他の栄養素、脂肪分 (脂質)を摂取しつつ日頃のコンディションを確認してみてはいかがでしょうか。 参考文献1)H J Smith1, N A Greenberg, M J Tisdale, Effect of eicosapentaenoic acid, protein and amino acids on protein synthesis and degradation in skeletal muscle of cachectic mice, Br J cancer . 2004 .91(2): 408-