今年は特に、まだまだ寒いと思ったら、急に暑くなったり、また冷え込んだりと気温の変化が激しいので体調を崩してしまう人もいるかと思います。今回は、こういった体調の変化や風邪をひきたくないという人に向けて、書いていきたいと思います。目次・なぜ体調は悪くなるの?・アスリートやスポーツ選手を目指す体調の整え方・風邪に負けない体づくり・まとめなぜ体調が悪くなるの?アスリートは、身体を鍛えて体力が有り余っていて、風邪やインフルエンザなどの感染症にかからないという印象をお持ちの人が多いかもしれませんが、実は、強度の高い運動を行うアスリートは、上気道感染(風邪やインフエンザ)に対して非常に弱いことが知られています。1) 毎日強度の高い練習を繰り返しているため、身体にかかる負荷が強いからです。また、試合前など大事な時は、緊張感から通常免疫機能で活躍している物質がストレスの対抗に使われてしまい枯渇してしまうことで、感染症などにかかりやすくなってしまいます。では、何をすればいいのか。アスリートやスポーツ選手を目指す体調の整え方①バランスの良い食事を心がけるバランスの良い食事とは、主食 (ご飯などの穀類)、主菜(魚、お肉、卵、大豆など)、副菜 (野菜、きのこ、海藻類など)を基本に、汁物や果物を組み合わせた食事が理想的でバランスの良い食事といえます。 主食のご飯 (炭水化物)だけ多くなるようでもよくないし、副菜を食べないという偏りも体調を管理するといった点では好ましくないですね。食事は一度に変えなくてOKです。朝に野菜を多く食べてみたり、今日野菜や果物が少なかったなと感じた時は、意識的に選択してみたりと、1つずつ意識を持って行動してみましょう。②朝昼晩、最低3食の食事を食べるアスリートは、活動量が多くエネルギーの消費が多くなります。そのため、摂取エネルギーが足りていないと、筋肉の回復(疲れの回復)・成長、免疫力などが十分に発揮できなくなってしまいます。毎日強度の高い運動をしているのにも関わらず、身体の回復は追いつかないということは風邪や怪我にも繋がってしまいます。そのため、朝昼晩の3食をしっかりと食べることは、感染症や怪我に負けない身体づくりを目指すためには必要不可欠です。また、朝昼晩の3食をとっていてもアスリートの皆さんは、練習の強度が高いためエネルギーが不足します。その場合は、間食をとって摂取エネルギーを確保しましょう。例えば、練習後〜夕食までの時間が空く場合や朝と昼の間、練習前などに間食を食べて、エネルギーが不足しないようにしてみましょう。③ストレッチで疲労を次のに日に残さない練習後や入浴後にストレッチを行なうことは、血液の流れを良くし、疲労物質が身体に溜まらないようにするために必要です (身体のメンテナンス)。血流をよくすることは、栄養を全身に行き渡らせることができ、筋肉の回復や成長に繋がっていきます。風邪や怪我にならないようにするためには、ストレッチも欠かさずにしていきたいですね。④しっかりと睡眠をとってパフォーマンスの向上や疲労を次の日に残さない一般的に睡眠時間が8時間前後必要と言われることが多いと思いますが、睡眠時間が足りていないアスリートは多くいます。その理由としては、練習時間が遅くまであることや早朝のトレーニング、心理的ストレスや環境などがあげられます。最近の論文では、昼寝や夜間睡眠による睡眠時間の延長は、身体能力や認知能力にプラスの影響を与える可能性があり、習慣的に夜間睡眠が7時間程度のアスリートにおいて、睡眠時間を46~113分増やすことは、パフォーマンスの維持または向上につながるのではないかと示唆されています。2)また、アスリートに必要とされる睡眠時間は9〜10時間必要である可能性も示唆されています。注意することは、習慣的な睡眠時間が短いアスリートがこれを満たそうとすると、中途覚醒が増加するといった留意点があるといった点です。さらに、睡眠時間が不足すると身体の休息だけではなく、脳の休む時間が不足することで、集中力の低下や気持ちの不安定化が起こりやすくなります。身体や脳が十分に休めないということは疲労感が抜けにくくなります。そのため、早く寝て睡眠時間を確保し、次の日のコンディションをよくしていきましょう!まとめ風邪や怪我を予防し、体調を整えていくためには、毎日の食事、睡眠といった積み重ねが大事になってきます。栄養が足りないのも、睡眠が足りないのも、身体のメンテナンスが足りないのも少しずつ自分の身体に蓄積していってしまいます。風邪や怪我に負けない身体づくりのためにも、毎日意識して行動していきましょう。参照1) 早川 智 , 早川 純子 ;スポーツと免疫・感染症 , 日大医誌,2021,80:11-132) Lucio A. Cunha et al ,;The Impact of Sleep Interventions on Athletic Performance: A Systematic Review , Sports Medicine Open , 2023, 9:58