一つ前の記事で少しお話しした通り、私はボディメイクをしてフィジーク(筋肉の祭典)の大会に出るために、増量期間には体脂肪が20%を超える時もあります。そこから減量を経て体脂肪を一桁代にしていきますが、本来であればなるべく体脂肪は増やしたくはありません。今回は、体脂肪の増加が身体にどのような影響をおよぼすのか、体脂肪とはどういうものなのかをご紹介できたらと思います。目次・私の経験から考える体脂肪について・体脂肪が増えるデメリット・そもそも、体脂肪とは?・まとめ私の経験から考える“体脂肪”について減量を毎年繰り返していていることでデメリットとして感じるのは、増量期に体脂肪が20%以上まで乗ってしまうと身体が重く感じ、腹筋に関しては15%くらいから消えていくという身体の変化です。また、身体がピリピリする時があったり、肉割れの一歩手前まで行くといった経験もしています。強いて挙げるとすれば、体脂肪が乗っているとはいえ、筋トレをして筋肉を増やした上で体重が増えているため、さらに高重量のトレーニングができるという点はメリットかもしれません。やはり、普段運動する人やアスリートにとっては、体脂肪が増えることによる体重の増加は、パフォーマンスの低下に繋がってしまうかもしれませんし、一般の方も怪我や疾病のリスクも抱えてしまいますね。体脂肪が増えるデメリット一般的には、体脂肪が過剰に増えると、身体に悪影響をおよぼすサイトカイン(生理活性物質)が増え、生活習慣病につながると言われています。そのため、過剰に体脂肪を増やすことは避けるべきとされています。そもそも、体脂肪とは?体脂肪とは、体(身体)につく脂肪のことで、内臓の周りにつく内臓脂肪や皮膚の下につく皮下脂肪に分かれます。一般的に、内臓脂肪の方がつきやすく、減らしやすいと言われていますね。その体脂肪とは、下記の流れで身体に蓄積されていきます。1.2)食べ物に含まれている脂肪(トリアシルグリセロール)を摂取。腸の中の消化酵素(リパーゼ)によって、脂肪酸とグリセロール(モノアシルグリセロール)に分解される。小腸の細胞の中で脂肪酸とグリセロールが結合し再びトリアシルグリセロールを合成し、大型のカイロミクロンというたんぱく質を構築する。カイロミクロンは、そばを通っているリンパ管を通り胸管から鎖骨下静脈をへて心臓にながれることで全身を巡っていく。カイロミクロンが筋肉に行けば、酸化されてエネルギーに変わり、脂肪細胞に行けば、脂肪(中性脂肪/体脂肪)として貯蔵されていく。これ以上詳細に話すと、難しくなると思いますので、詳細には書きませんが、糖分を多くとって、体内に糖質(ブドウ糖)が多く存在していると、解糖系という代謝回路が働きます。その、解糖系の途中で生産される物質が、さらなる体内の中性脂肪(体脂肪)の合成に関与することもわかっています。簡潔にいうと、糖分と脂質の組み合わせがとにかく太りやすいよっていうことです。なので、しめのラーメンとかは太りやすくなりますし、そのラーメンを食べた後に運動してエネルギーを消費するのであればまだ分かりますが、あと寝るだけですよね?余計に中性脂肪として溜まってしまいますね...笑中性脂肪・・・肉や魚、食用油など食品中の脂質や、体脂肪の大部分を占める物質。単に脂肪と呼ばれている。3)まとめ脂肪や脂肪+糖質を摂りすぎると、体脂肪として体に蓄積されるとお話ししましたが、脂質は悪者ではないということ覚えておきましょう。脂質自体は、エネルギーの材料になったり、ホルモンの材料、脂溶性のビタミンの吸収サポート、お肌のハリや髪の毛の艶につながる細胞膜の生成などに関与しています。私自身、脂質をカットしすぎて肌が荒れたり、カットしすぎても体脂肪が減らなかったりと脂質自体あまりカットしすぎないように心がけています。このように、何事も少しずつ自分の身体と相談しながら試してみてください。参照1) 薗田 勝.; 生化学 改訂版第2版 2) 山本義徳 .; 効率よく筋肉をつけるための山本式・アスリート栄養学上巻 -三大栄養素編 - 3) 厚生労働省.; e-ヘルスネット 中性脂肪 / トリグリセリド