子どもの筋力トレーニングが必要かどうか。・・・答えは「YES!」です。もちろん強度の高い筋力トレーニングは、身体に負担がかかりすぎ、逆に成長の妨げとなりますので注意が必要です。しかし、現代の生活環境を考えると、普段の生活だけでは運動量は少なめです。まず、筋力は良い姿勢を保つために必要です。姿勢を整えると運動能力はもちろん、見る力や聞く力も育ちます。有り余るエネルギーを発散させると、心も落ち着きやすくなります。また、体力がつく事で免疫力も上がりますので、健やかな成長の為に意識して身体を動かしていきたいですね!筋力トレーニング(筋トレ)といえば・・・「筋トレ」と聞いてまず思い浮かぶのは何でしょうか?「腕立て、腹筋、背筋、スクワット…」などでしょうか。運動部を経験された方、やりましたよね…。まさに"トレーニング" 。しかし、こういったトレーニングは、心も体も成長期の子どもたちには不向きである場合が多いです。<目次>・子どもにとっての最高のトレーニングとは!?・遊ぶようにトレーニングをすることが大事子どもにとっての最高のトレーニングとは!?公園や、園庭、校庭で走り回る子どもたち。「鬼ごっこをしながら階段を駆け上がり、タッチされないように素早いスピードで左右によけてかわし、全力で走りながらも周りの子どもたちの間をすり抜けていく。一騎打ちになった時には、鬼も逃げる方も必死のあまり自分のMAXスピードを超えてたりして…」「大きな水たまりを跳び越えられるかのジャンプの挑戦。濡れるかどうかの賭けですから、必死で跳びますよね。」「この塀、自力でよじ登れるか!?そして、登ったその上はドキドキハラハラの平均台。」なんか、子どもの頃を思い出しますね。なんだか懐かしく、ちょっと笑ってしまいます。お分かりでしょうか、これが子どもたちにとって最高のトレーニングになります。何が最高って、トレーニングと思っていないところが最高。そして、身体全体をめいっぱい使っていること、部分的ではなくバランスのとれた全身運動、遊びだから楽しくてどんどんやるんです。息が上がって多少しんどくても平気。これが、“日常"であれば、本人も気付かないうちにどんどん力がついていきますが、今の生活環境では、ちょっと難しいですよね。「今の子は弱い!?」「こけたら手がでない!?」いえいえ、そんなことありません。今の子どもたちもちゃんと力を持っています。身体を動かす時間と場所が、ひと昔前よりちょっと少ないだけ。普段の生活だけで補えないのであれば、楽しくて、いつの間にかトレーニングができてしまうような状況を作ってしまいましょう!遊ぶようにトレーニングをすることが大事「トレーニングをはじめます!しんどくても負けるな!ガンバレ!!」モチベーションの高いアスリートであれば、力を振り絞る励みの言葉になるかもしれません。しかし、まだ、その段階に至っていない子どもの場合は、気持ちが追いつかなくて、運動嫌いになることも。「ガンバレって…どう頑張っていいか分からない。」なんて心の声も聞こえてきそうです。ポイントは3つ。①最大のポイント「楽しい」"楽しい" と思えるのは、まず "自分でできる" ことです。難易度が高すぎると、体力や筋力の前に心がついていきません。②リズミカルに繰り返す身体が動くと心も弾みます♪ 心がのってくると、身体はどんどん動きます。そして何度も繰り返すことで力がつきます。③多種目の動きを組み合わせる常に全身どの部分も!という必要はありませんが、ジャンプをしたり、ぶら下がったり、転がったり、走ったり…。同じ筋肉ばかりを使い続けると早く疲れますから、まんべんなく身体を使って、動く時間を確保します。専門用語で「コーディネーション」と言われ、運動センスをアップさせるキーともなります。コーディネーション能力とは、日本語に訳すと「調整力」。その場の状況に合わせて、力やスピードを加減したり、タイミングを合わせたり、バランスをとったり…一般的に「運動神経」と言われるものです。スキャモンの発育曲線 1) では、神経系は成人を100%とすると、6歳頃には90%、12歳になる頃には100%の発達と言われていますから、子どもの頃にコーディネーション能力を高めておく事は必須と言えますね。心拍数を上げながら、自分でできる動きを繰り返し行いましょう。時々休憩もはさみながら♪ 可能であれば、BGMを使うのもいいですね!こんなトレーニングを重ねたら、目に見えて力がついていきます。力がついてきたら、難易度を少し上げてみましょう。別の機会をつくって、落ち着いて、部分的にやってみるのも大変効果的です!そうこうしているうちに、みるみる力がついていきますよ!筋力がつけば、パフォーマンスも上がります。できることがどんどん増えて、さらに楽しくなります!楽しい工夫、続く工夫をしてみましょう♪子どもたちが清々しい気持ちになれるトレーニングを目指したいですね!1) スキャモンの発育曲線成熟した20歳の臓器重量を100とし、各年齢の臓器重量を百分率で示したものである。(市丸 雄平・岡 純編著,; マスター応用栄養学(三訂) 2016)