そろそろ夏休みの時期ですね。お子さんがいらっしゃるご家庭では毎日のメニューを考えることが大変という方もいるのではないでしょうか。私たち大人が知っていないといけない栄養学の話、そして暑い季節でも簡単に作れる料理についていくつかご紹介していきたいと思います。<目次>・栄養がなぜ必要か?・栄養の基本知識・作る時間がない!そんな時の簡単メニュー・まとめ栄養がなぜ必要か?「身体は食べたものからできている」健康維持のためには、「食事・運動・休息」のバランスが大事と言われており、「食事」は重要な要素の1つです。人間の身体は約60兆個の細胞からできており(諸説あり)、細胞そのものの材料になったり、細胞が働くためのエネルギーになるのは、すべて食べ物から摂取した栄養素からです。トップアスリートの鍛えられた体も厳しいトレーニングの積み重ねや休息だけではなく、「食事」を徹底したからこその成果といえます。子どもの成長や将来のため、健康維持のため1日の食事・栄養について私たち大人がしっかりと考えていく必要があります。栄養素の基本知識料理をする上で知っておくべき知識として、2つのポイントが挙げられます。①五大栄養素 (炭水化物・脂質・たんぱく質・ビタミン・ミネラル)の働き炭水化物(糖質)主にお米や麺類、パンなどに多く含まれます。炭水化物の最も重要な役割は、身体や脳を働かせるためのエネルギー源となり、脳や神経組織、赤血球などに糖分を供給します。簡単に言うと身体を動かすためのエネルギーとなりますよってことです。炭水化物は脳や身体を動かすために必要になるため、例えば、朝ごはんの欠食は午前中の集中力低下やエネルギー不足につながります。また、お菓子やジュースの飲み過ぎなどで糖分を過剰に摂りすぎてしまうと、肥満や糖尿病の原因にも繋がります。お菓子やジュースなどはほどほどに楽しみましょう!脂質脂質は、細胞膜の主要な構成成分であると同時に、エネルギー源となります。(1 他には、ホルモンの材料にもなります。脂質は摂りすぎると肥満などの生活習慣病の原因になるため、お菓子や菓子パン、脂っこい料理などの過剰な摂取には注意しましょう。しかし意識して摂りたい脂質もあります。それはn-3系脂肪酸であるα-リノレン酸、DHA、EPAです。n-3系脂肪酸は体内で合成することができないため、食事として摂取する必要があります。そのため、意識していないと不足してしまう栄養素でもあります。主にα-リノレン酸は、えごま油や亜麻仁油、DHA・EPAは、さばやいわし、まぐろなどの青背魚に豊富に含まれます。これらn-3系脂肪酸には、血流の改善やコレステロールや血圧の改善、脳の活性化にも関わると言われています。トンカツや揚げ物ばかりになるのではなく、たまには青魚の切り身などを摂取してみてもいいでしょう。いろいろな食材を摂ることは子どもの食育にもなります!たんぱく質主に肉や魚、卵、乳製品に含まれます。たんぱく質は、身体や髪の毛、爪などを構成しているだけではなく、酵素やホルモンとして代謝を調節したり、抗体として生体防御に働いています。(1たんぱく質は身体を構成している栄養素のため、例えば、不足すると、筋力・筋肉量の低下、肌荒れ、免疫力の低下に繋がります。ごはんに意識がいきがちになりますが、お肉や魚類もしっかりと摂れているか確認してみましょう!ビタミン主に野菜や果物に含まれます。人体の機能を正常に保つために必要なものであり、体内ではほとんど合成することができないため、食物から摂取する必要があります。(2ビタミンは体内の生理機能を活性化させる他に、三大栄養素(炭水化物、脂質、たんぱく質)の代謝を助ける働きがあります。三大栄養素だけ摂取しても、効率よく身体が使ってくれないということです。また、ビタミンが足りないと免疫力の低下や筋肉合成の効率の低下など身体のさまざまに影響があります。そのため、いつもより調子が悪いなという時などはビタミンを意識して食事をしてみましょう。ミネラル (鉄・カルシウム、ナトリウム、カリウムなど)ミネラルは身体に必要なものであり、ビタミン同様に体内で十分に合成できないため食材から摂取する必要があります。例えば、鉄は赤血球の材料になり、全身の酸素を運ぶ役割を持つミネラルであり、不足すると貧血の原因になります。②主食・主菜・副菜バランスよく「主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを」と国が言っている通り、食事の基本としてとても大切な考えになります。食べ物をきちんと食べていないと、身体を動かすためのエネルギーが不足したり運動後の疲れを回復するための栄養素が不足したりします。また、1日に必要な栄養素を確保するためには、朝・昼・晩の3食を食べることが基本であると言われています。そして、ご飯の主食を中心に、肉や魚、卵などの主菜、野菜や海藻を使った副菜、そして汁物や漬物などの一品、一汁三菜が栄養バランスを取るのに最適な食事と言われています。また、運動をしているお子さんは、3食の食事だけではエネルギーが足りなくなるため、間食が必要になる場合もあります。このようにバランスよく食事をしていくことが、身体を成長させていく上で最低限必要なことになります。作る時間がない!そんな時の簡単メニューご飯 200g卵2個にら20〜30g 出汁3カップ (600ml)ほんだしの素小さじ2-3 (約5-8g)でも可 塩小さじ⅓醤油小さじ1めんつゆ大さじ2[作り方]炊いたご飯を水で洗い米粒のぬめりを落とし水気を切る。ニラを沸騰させたお湯にさっと入れてゆで、水につけて絞り、2〜3cmの長さに切る。鍋に出汁、塩、しょうゆを入れ、沸騰したらご飯とニラを入れる。再び沸騰したら溶いた卵を全体に流し入れ、半熟になったら火を止め蒸らす。盛り付けるたんぱく質やビタミン・ミネラルを豊富に含む卵、抗酸化作用が期待されるアリシンや骨や歯からカルシウムが溶け出すのを防ぐビタミンKなどの栄養素を含むニラを使った簡単料理です。夏場、冷たい食べ物を選択しがちですが、暖かい食べ物は腸への刺激も優しいためたまにはいかがでしょうか?色々試してみて楽しい食生活にしましょう!また、栄養満点という意味では色々な具材を一緒に味噌汁にした具沢山味噌汁もおすすめです。我が子の成長を食を通して見届けていきたいですね。→具沢山味噌汁の記事はこちら参照1) 日本人食事摂取基準 2015年2) 厚生労働省 e-ヘルスネット