鉄棒と言えば「逆上がり」と答える人も多いのではないでしょうか。できるようになりたい!でもこれがなかなかできず、鉄棒嫌いになっている子どもが少なからずいるように感じます。手にマメができるまで何度も練習!という力強い気持ち。とてもかっこいいです!頑張ったという証が、後々、自分の力になると思います。ですが、こういった種目には、できるようになる為のコツが必ずあります。どんなに頑張っても、何度やっても、やり方や頑張り方が違えば成功には近づけません。もちろん気持ちは大切。でも気持ちと同じくらい、もしくはそれ以上にポイントをおさえることが大切です。目次・意識しない方がいい!?・逆上がり成功に向けてのポイント4つ・補助をする場合は?・どの鉄棒でもできるようになるには?意識しない方がいい!?逆上がりをする時に意識することってどんなことでしょうか?「逆さまになってまわる!」「足を蹴り上げる!」ここでひとつ、見た目とは逆で意識しなくていいこと…というより、意識しない方がいいことがあります。それは、“逆さまになること”えっ?と思った方もいるかもしれません。でも、実は、逆さまになることを意識することで、自分で頭を下げようとして身体がのけぞってしまい、鉄棒から離れやすくなってしまいます。逆上がりは、鉄棒に身体(足の付け根)を、ひっかけることで成功します。のけぞってしまっては、その形はとれません。逆上がりの4つのポイントそれでは、逆上がり成功に向けてのポイントを順にみていきましょう。①胸、おなかは鉄棒のすぐ近く!まず、鉄棒の“高さ”。だいたいおへその少し上から胸あたりの高さの鉄棒がやりやすいです。逆上がりが成功しやすい、お子さんに合った鉄棒を探してあげてみてください。そして、先ほどもお話した通り、鉄棒から離れてしまっては、逆上がりはなかなかできません。鉄棒を握って準備をする時に、腕を曲げて鉄棒が胸のすぐ近くにくるようにしましょう。まわる時、腕は伸ばしません。足は前後に開き、前の足(踏み込み足)は鉄棒より少し前に。後ろから前に踏み込むと勢いがつきやすいのですが、踏み込む場所がずれると、足を上に蹴り上げることが難しくなります。まずは、“どこで踏み込むとよいのか"を確認してみましょう。②踏み込む時に、鉄棒をぐっと引き寄せる!蹴り上げるイメージの強い逆上がりですが、実は腕やお腹まわりの力もとっても重要です。瞬時に鉄棒を“引き寄せる力”が必要です。ここで、トレーニングをひとつ紹介します。懸垂をした時のように、鉄棒を胸あたりにくっつけた状態で、両足をゆっくりとはなしてみましょう。両膝を前に持ち上げます。5秒〜10秒、その位置でキープできるでしょうか?鉄棒を上から握る「順手」が好ましいですが、難しい場合は手のひらを上に向けて下から握る「逆手」でもかまいません。もし、できない場合は、逆上がりの練習にプラスして、このトレーニングもやってみましょう!かなり腕やお腹の力を使うので、逆上がりの練習時というよりは、別のタイミングで日常的に取り入れて力をつけておくと、結果が出やすいです。③踏み込んだら、おしりごと高く蹴り上げる!!②で引きつけるトレーニングを紹介したところですが、自分の力だけで、逆上がりをしようと思うと、かなりの筋力が必要です。ですが、うまく踏み込めると、地面から跳ね返ってくる力(ここでは"反発" と表現します)をもらうことができます。踏み込むのはそのため。反発によって身体が一瞬、軽く浮きます。ですが、お尻が突き出て、腰がひけた状態だと、力が逃げていき、せっかくの反発も使えません。踏み込んだ瞬間に、後ろの蹴り上げ足を、足だけでなく、お尻から思いっきり高く蹴り上げましょう。ポイントは "お尻ごと" 踏み込み足が背伸びしてしまうくらいに高く持ち上げます!④鉄棒に足をひっかけて!せっかく高く蹴り上げたのに…十分高く上がっているのに…そのまま、ス〜〜っと戻ってドテッ…。勢いもあって、思いっきり蹴り上げてお腹が鉄棒に触れているのに!!あれーっ…。まわれず戻ってきていませんか?はじめの方にも少しお話しましたが、逆上がりは鉄棒に足の付け根が引っかかることで、成功します。ですので、足は上に蹴り上げるだけでなく、鉄棒を通り越して頭の上までくるくらいに。そして、鉄棒に自分の足の付け根が引っかかるところを見てほしいのです。あごをひくと、丸くなりやすくなり、その上、力が入ります。あと一息であれば、ぐっと腕で引き寄せることもできます♪いかがでしょうか?逆上がり成功のイメージ、掴めてきましたか?補助をする場合は?もし、子どもたちと一緒に練習していて、なかなか足が上がらない場合は、「ここまで蹴り上げてね!」と頭より上に目標を示してあげてください。目標がはっきりすると、思い切ってやりやすいです。できれば、少しお手伝いをしてあげると、成功の感覚を覚えることができるのでとってもおすすめです!公園などで、蹴り上げた後に太ももやふくらはぎを支えているシーンをお見かけすることがあるのですが、蹴り上げてからではなく、腰やお尻のあたりに手を添えて、「お尻を持ち上げる」ところをお手伝いしてあげてください。鉄棒から離れることなく、巻き付くようなイメージです。なわとびやロープ、フェイスタオル等で、補助具を作ることもできます。短いブランコを作るように腰からお尻あたりに補助具をあて、両手で鉄棒と一緒にしっかりと握りましょう。最初のうちは、鉄棒とくっつくよう短くしっかりと持って。慣れてきたら、補助具が少したるむくらい、ゆるめてみましょう。サポートにもコツがあります。お子さんと一緒にコツを抑えてチャレンジしてみてください。どの鉄棒でもできるようになるには?あともうひとつ、逆上がりに関してはこんな言葉も時々耳にします。「室内だとできるんだけど、公園ではできない」「先生とやったらできるのに…」鉄棒の高さ、地面のかたさ、砂ぼこり、眩しさ、安心感etc…特に習得真っ最中のものは、こういったことに大きく左右されるので、場所によって、できるできないが出てきて当然です。「どこでもできる」ようになるには、気持ちにも、筋力にも余裕が必要です。可能であれば、「ここならやりやすい」という場所を見つけて練習を重ねることをおすすめします。クリアした経験が増えると、自信がつきますし、そうなれば思いっきりの良さも出てきます。回数を重ねることで、筋力もつき、身体も動きやすくなります。「こうやったらできる!」というのを頭だけでなく、身体が覚えていきます。ポイントを的確に押さえて練習することは、早く上達するだけでなく、やってみたらできた!またチャレンジしてみよう!という、前向きな気持ちも育てやすいです。できなかったこと、目指していることができるようになった時の子どもたちの顔はたまりません。できるようになって嬉しい!できるようになることが楽しい!と思いながらチャレンジできるようなサポートをしてあげたいですね。